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「4D High Resolution」は、フジノンレンズ独自の高解像性能です。画像の中心部から周辺部まで高い解像性能を保持し、さらに、撮影距離や絞り値の変更に伴う解像性能の低下も抑制します。これにより、幅広い設置・撮影条件下で一貫して高解像な画像を得られます。

1.フローティング設計技術

撮影距離が変化しても解像性能の低下を抑制

● レンズ設計において、最もよく使用される撮影距離内の1点または2点の撮影距離を設計の「基準距離」とし、その距離で解像度がベストとなるよう、収差(色ずれ・周辺ボケ・歪み)補正の最適なバランスが考慮され、レンズ構成が決定されます。


● 従来の設計技術では、基準距離では理想的に収差が除かれていても、ほかの撮影距離では収差が発生し解像力が低下する懸念がありました。特に、広角系レンズでは原理的に像面湾曲収差(周辺ボケ)が発生しやすいという問題がありました。


● FUJINON HF-12Mシリーズでは、全撮影距離にわたって収差を抑制する『フローティング効果を持たせた設計(フローティング設計)』を採用。レンズ構成を前群と後群に分割し、後群のみを移動することによって、フォーカス合わせを行っています。この移動はレンズ構成全体からみた場合、撮影距離によってレンズの間隔が異なることになるため、予めこの点を考慮した設計としフローティング効果を持たせています。それにより、撮影距離が変化しても解像性能を最大限に保持します。

2.高精度組立技術

画面周辺部まで均一な解像力を保持

● レンズ製造工程において、レンズ同士の中心部分(芯)がずれていると、目指した性能が発揮されないため、製造過程においてレンズの芯を、ミクロン単位で揃えることが非常に重要となっています。


● FUJINON HF-12Mシリーズは、富士フイルムのレンズ製造技術を結集した検査装置を用い、レンズ本体全数で、組み立て時のレンズ玉の芯の偏りを検出し、ミクロンレベルの精度で組み立てを行うことで、画像周辺部まで均一な高解像性能を実現しています。

  • レンズ玉の偏りがゼロの状態
  • レンズ玉に偏りが出ている状態
4D High Resolution対応レンズ
一般的なマシンビジョン用レンズ

画像周辺部まで均一な高解像性能を実現

収差が発生し周辺部の解像力が低下

● ここには、高次元で均一な品質が要求される放送用レンズの高精度技術を、携帯用カメラモジュールなどの小型レンズ生産に組み込んだ、当社独自の製造ノウハウが活きています。

3.硝材マッチング技術(独自の光学設計ソフト「FOCUS」)

絞り値変動による解像力低下を抑制

● 絞り値を変えた際に解像度が低下する主な原因となっているのが、「倍率色収差(色ずれ)」です。光は波長(色)ごとに屈折率が異なるため、色によって結像する位置のずれが発生します。その結果、画面の端の方で色がずれてしまうという問題が起きてしまいます。この色ずれを抑制するためには、レンズ材料(硝材)の組み合わせが重要です。一般的な硝材では、光の三原色であるRGB(赤・緑・青)のうち2色しか補正できませんが、異常分散性が高い特殊な硝材を用いることで、全ての色を高次元に操ることが可能となります。


● FUJINON HF-12Mシリーズでは、色ずれを抑制するため、異常分散性の高い特殊な硝材を採用し、絞り値を変えても高い解像性能を実現しています。


● 富士フイルムのレンズ設計は、独自開発の設計ソフト『FOCUS(Fujifilm Optical Class Library and Utilities System)』を用い、無限にある硝材の組み合わせからシミュレーションし、最適な硝材を決定しています。

  • *画像はイメージです。

「4D High Resolution」

フジノンレンズ独自の高解像性能「4D High Resolution」を、動画で解説します。

1.光軸変動(画面ズレ)10um以下に抑える

 

● 一般的なマシンビジョン用レンズでは衝撃の発生する用途で、レンズ群が衝撃によりミクロン単位で移動することが光軸変動(画面ズレ)を発生させ、精密な測定が妨げられる課題がありました。「FUJINON耐衝撃」性能は独自のメカニカルデザイン*1を採用することで、最大10G*2もの衝撃を受けても光軸変動(画面ズレ)を10um以下*3に抑制します。

  • *1 特許出願済みの当社独自技術
  • *2 機種によって衝撃G適応数値は異なります 
  • *3 当社測定結果による

 

最大10G*2もの衝撃を受けても光軸変動(画面ズレ)を10um以下*3に抑制

  • くり返し衝撃を加えた際のセンサー上の像の動き

2. 過酷な振動環境に対応

【JIS C 60068-2-6へ準拠】
・振動数10-60Hz (振幅0.75mm) 振動数60-500Hz (加速度100m/S2)
・50Cycle

● 一般的なマシンビジョン用レンズでは振動が発生する設置環境下においてタフネス性に課題がありました。「FUJINON耐振動」性能はJIS 60068-2-6に準拠した厳しい振動実験をクリアし、解像力を維持する高いタフネス性を備えています。

3.経年劣化抑制・設置時の作業性を追求

● 接着剤を多用せず湿度や熱で経年劣化しずらい独自のメカニカルデザインを採用。
● 固定絞りではなく従来の可変絞り機構で性能達成しており、設置の作業性が高い設計に。

Anti Shock & Vibration 耐振動・衝撃機能

耐衝撃、耐振動、経年劣化抑制・設置時の作業性を追求など、動画で解説します。

●「HRI (High Relative Illumination)」は、フジノンレンズ独自の高周辺光量設計技術です。

●通常、レンズを通る光は原理的に中心ほど強く、周辺に行くほど弱くなりますが、フジノンHRIレンズでは独自の光学設計でセンサーの中心から周辺まで高い光量を届けることができます。

●一般的なグローバルシャッターCMOSは、1画素内に光を受光するフォトダイオードと、その信号を蓄積するメモリが配置されています。そのため受光部の開口面積が小さく、斜めからの光が受光面に届きにくい構造になっています。フジノンHRIレンズは、主光線入射角度(CRA:Chieg Ray Angle)を5°以下に設計しているため、画面の隅々まで明るい画像が得られます。

●中心と周辺の明暗差を改善するため画像処理補正をしても、SN比は変わらないため「ノイズ」が強調されてしまい良好な画像を得ることが出来ませんフジノンHRIレンズは、光量補正をすることなく周辺部まで均一性の高い光量を実現しており、ノイズの少ない高品質な画像を得られます。高い信頼性を要求される検査に最適です。

小型化と低ディストーションの両立

●レンズ設計において、小型化を実現するためには、レンズ枚数を減らし、レンズに入ってくる光を急激に曲げて結像させる必要があります。一般的な球面レンズだけのレンズ構成では、歪曲収差(ディストーション)を抑制することができません。一方、非球面レンズは球面レンズ数枚分の役割を果たすため、少ないレンズ枚数で歪曲収差を抑制することが可能となります。

●非球面レンズには、高い加工精度が要求されます。富士フイルムは、グループ内で非球面レンズの設計・製造を行うことができ、設計段階で求められる高い加工精度を精密な金型加工技術によって量産実現しています。

●FUJINON HF-12Mシリーズは、この高精度ガラスモールド非球面レンズを採用することで、小型化と低ディストーションを両立しています。

非球面レンズ

* 画像はイメージです。

独自の検査・測定システムで、レンズ性能データを定量的に取得。シリアル番号を付与し、レンズ1本1本の個体管理を実施。