ゾニサミド
抗てんかん薬の1つです。腎臓から排泄され一部が肝臓で代謝されるため、腎機能が低下した動物ではゾニサミドの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性があります。開始量 犬2.5~5.0mg/kg BID,猫1.25~2.5mg /kg BIDで投与した場合、 ゾニサミドは5日で血中濃度が定常化(安定)するといわれています。定常化した血中濃度はピーク(頂点)とトラフ(底)を1日2回ずつ繰り返します。採血に適切な時間はトラフの時間帯(投薬から8~12時間後あるいは次の投薬の前)です。
- 項目名
ゾニサミド
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.2
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
HPLC法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
犬 10~40
猫 10~30- 単位
μg/mL
臭化カリウム
抗てんかん薬の1つです。腎臓で排泄されるため、多飲多尿の動物では血中濃度が上がりにくい場合があります。半減期が長いため、投与開始後30日以降に測定します。
- 項目名
臭化カリウム 表1*1
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.3
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
比色法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲
2.0~3.0
- 単位
mg/mL
- *1 表1 〈併用時の臭化カリウム参考基準範囲〉
ゾニサミド併用時 | 1.0 〜3.0mg/mL |
フェノバルビタール併用時 | 0.8 〜1.8mg/mL |
フェノバルビタール
抗てんかん薬の1つです。肝臓で代謝されるため、肝機能が低下した動物ではフェノバルビタールの代謝が遅延し、血中濃度が上昇する可能性があります。開始量 犬2.0~3.0mg/kg BID,猫1.0~2.0mg /kg BIDで投与した場合、 フェノバルビタールは10日~14日で血中濃度が定常化(安定)するといわれています。投与直前の最低値を検査します。
- 項目名
フェノバルビタール
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.3
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
ラテックス凝集法
- 報告日数
~2
- 参考基準範囲
15~30
- 単位
μg/mL
シクロスポリン
免疫抑制剤として臓器移植・免疫介在性疾患・アトピー性皮膚炎の治療に用いられます。半減期は犬5時間程度、猫8~10時間です。投与直前の最低値を検査します。
- 項目名
シクロスポリン
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
EDTA全血/1.0
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷凍保存
- 測定方法
CLIA法
- 報告日数
~3
- 参考基準範囲*1 *2
―
- 単位
ng/mL
- *1 血中薬物濃度の参考基準範囲はトラフ値を元に設定しています。
- *2 シクロスポリンの血中濃度範囲は、疾患・治療方法(併用薬剤)・治療期間・個体の状態により異なります。400 〜600ng/mLを目標トラフレベルとお考えください。そのため、報告書への記載はいたしかねております。ご了承ください。
ジゴキシン 【外注検査】
心疾患の治療に使用します。半減期が比較的長いため、血中濃度が安定するまで時間がかかります。維持量投与開始後、1週間以降に測定すると良いとされています。投与直前濃度を調べます。
- 項目名
ジゴキシン 【外注検査】
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.5
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
EIA法
- 報告日数
~4
- 参考基準範囲
0.8~2.0
- 単位
ng/mL
テオフィリン 【外注検査】
気管支拡張薬の1つです。治療域と中毒域が近接しますので、血中濃度を測定し適切な投与量を調べる必要があります。
- 項目名
テオフィリン 【外注検査】
- 対象動物
犬・猫
- 材料/量(ml)
血清/0.5
- 他材料/量(ml)
―
- 保存方法
冷蔵保存
- 測定方法
EIA法
- 報告日数
~6
- 参考基準範囲
6~18
- 単位
μg/mL